こっそりぶろぐ

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ワカサギダイバー

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 しのつ湖は、地元ではちょっと知られたワカサギ釣りの名所だ。冬には、雪に埋まった真っ白なだけの平らな湖は周りの田畑とほとんど見分けがつかないが、入り口の鯉のぼりとずらっと並んだ車によってそれと判断することが出来る。
 湖上にはビニールで出来た小屋がいくつも建ち、ストーブのある暖かい環境でワカサギを釣ることができる。もちろん手動ドリルで氷に穴を空け、外で釣ってもよい。釣魚券を買えば、竿や餌は有料で貸し出しているしドリルも無料で使うことが出来る。ただ、朝から外でずっと釣っていることは肉体的に出来ない。「一時間で寒さで死ぬ。それだけ。」
 ただし、普通は誰でもワカサギを釣ることができるわけではない。しかし、それではお金を払ってせっかく来ている客に申し訳ないと、氷の下で釣針にワカサギを付けてあげるダイバーがいる。団体で来た客には争いが起こらないよう平等に釣らせてあげるダイバーが。
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 昨日札幌から来た5人組はちょっと厄介だった。彼らは糸をたらせばすぐ釣れると思っていたらしく、小屋にはいると5分くらいで釣れないと焦りだした。何度か魚の姿だけを見せてあげて一応ここにワカサギがいることだけは教えておく。30分後には、ちょっと飽きはじめてお湯を沸かしてココアみたいなものを作って飲んでいた。その間たまに浮きを動かして食いついているようなふりをした。さらに一時間もした頃にはワカサギを揚げるために持ってきた油で冷凍のフライドポテトやコロッケ、あとなぜかじゃがりこを揚げて食い始めた。
 その隙に、一番竿が動かないので魚を簡単に付けやすそうな人の釣針にワカサギを引っ掛けといてやった。しばらくしてひきあげた、だっしゅと呼ばれる男が喜び、隣の同期でこの計画の主催者らしき男が悔しがる声が聞こえる。
 これで釣れる事がわかったため、他の4人もやる気を出してまた釣りに集中し始める。
 とりあえず反時計回りにワカサギを付けていくことにした。次は左隣のクマのぬいぐるみのような男だ。こっちは積極的に竿を動かして魚を付けづらいので、ちょっと弱ったおとなしいワカサギを付けざるを得なかった。
 それからちょっと休憩してから次の人へ。ぬいぐるみに背を向けて反対側で釣っているその同期らしき社会人の女の子だ。その隣には背の高い、躰道をやっていたことのありそうな後輩がいたが付け忘れてしまい、彼と背中合わせに反対側で釣る、クロカン大好きな主催者らしき男に付けてしまった。
 その後、天気がよくなってきたこともあり彼らは外に出て氷に穴を開けて釣る事にしたようだ。だが、釣りよりもむしろ氷に穴を空けることに夢中になっているようだった。小屋から出てしまって探すのに苦労したが、管理人棟からの放送によるアドバイスもあってなんとかさっき釣らせ忘れた人を見つけ出し、ワカサギを付けてあげることが出来た。 だが、もう疲れたのでワカサギを付けてあげるのはこれが最後だ。あとは、どうやら持ってきた残りのフライドポテトやコロッケを揚げたり、まいたけやピーマンを天ぷらにしたりしていたようだ。最後には全員が1匹ずつワカサギを天ぷらにして食べたようだった。油の中で最後の泳ぎを見せる活きのいいワカサギの天ぷらは、1匹でもきっと彼らを満足させたことだろう。
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 というように、5人がなぜか平等に1匹ずつしか釣れなかったという結果から、ここにはこういうダイバーがいるという説がみんなの中で有力だった。

 ちなみに夕飯は蕎麦屋だったが、鳥天そばを頼んだら、鳥のほかに、またまいたけとピーマンの天ぷらがついてきた。そんなに天ぷらの定番だったのか。美味しかったけど。

 あとその日、本当はぼくの22歳の誕生日プレゼントだった小説が、ようやく僕の手に渡った。出来立てのとき見せてもらってはいたが、もらってはいなかった。なぜ今までそこにあったのかもわからないほど昔のものだが、無事に手に入ってよかった。ガスト殺人事件の続編だ。最初は支笏湖ナイトハイク殺人事件だったのが、タイトルが変わった気がするけど、読んだときから今のになっていた気もする。
 読む前には、登場人物たちのその後を知っている今となっては当時とイメージが違っている人もいるかと思ったが、実際読んでみると今でもあの人はこんなこと言いそうな気がする、こんなことをしそうな気がするという感じがした。その人たちが変わっていないのか単に僕の中のイメージがその頃で止まっているのか、それとも作者がその人たちの変わらない部分を捉えていたのかはわからないが、懐かしかった。
 
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