こっそりぶろぐ

こっそり書くが別に秘密にもしない。

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失ったものたち ~その2 視力

写真からお察しください。

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「挑戦する防水そして遡上」

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「彷徨する休日そして連峰」

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「大挙する魚群そして帰郷」

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「没頭する観察そして撮影」

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「休息する山頂そして朦朧」


デジカメは二日後くらいに乾いて治りました。良かったなぁ、良かったなぁ……

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失ったものたち ~その1 貴重品

 羊蹄山は登りの長い山だ。一合目から九合目まで、すべて看板があるがその間隔が長いことで逆にピークの遠さを実感してしまう。4年前は足が攣ったり、クマ鈴までなくすという悲しい事件があった。猫缶まで食った。

 今回は、そのときクマ鈴をなくしたことに気づいた7合目で休憩しているときにカメラが無いのに気づいた。カメラの入ったカバンには家のカギも財布も入っている。その財布の中にはおろしたての5万円という大金が入っていた。給料日だったので、家に入れる分も含めて多めにおろしたのだった。 ちょっと焦ったが、平静を装って注意深くポケットや身の回りを探してみたが、ない。休憩し始めたほかのメンバーの話が少し弾んでいたので、邪魔しないようにタイミングを見計らって、まだ背負っていたアタックを地面に放り投げた。
異変に気づいたみんなにカメラを落としたかもしれないと言ったらなぜか笑われた。
 落としたとすれば、その前に休憩した6合目のちょっと手前のところだ。そこまで空身ならあまり時間はかからないだろうと、一人ダッシュした。
 最初は結構快調で、トレイルランナーになれるんじゃないかと思ったが、なかなか着かない。意外と遠かった。7合目では絶対「走れダッシュ」とか言ってるよと思ったら本当に言ってたらしい。
 休憩していたところに着いたが、バッグはみつからなかった。がっかりして戻ったのぼりは結構歩いたが往復で20分くらいだったらしい。
 ここで下りて見つかるものでもないので、予定通り小屋まで行った。走ったせいでその先は傾斜も緩くなり景色も良くなるのに意外と疲れた。9.5合目にある小屋は、余計に1合下りて1合登ったぼくにとっては実質11.5合目だ。
 小屋管さんにこういうときはどこに届けられているか聞いて見ると、良心的な人なら登山ポストに入れておいてくれることが多いということと、それでもなかったときに他に届けられていそうなところの連絡先を教えてくれた。

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 翌朝、ぼくの心以上に濃いガスで覆われた小屋を出て頂上を目指した。お鉢に近づくとガスは晴れたが、風はものすごく強く、ピークに行くのが少しためらわれた。お鉢にでたところでぼくたちが風を避けているのにわざわざ風に当たって頑張っている人たちがいたが、その人たちは日が出る前に諦めて下りてしまった。あの人たちが何のために風に耐えていたのかわからない。
 お鉢の周りは意外と風を避けながら進むことが出来るので一周するのは思ったほど大変ではなかったが、ヤマチューのウェアーが凍りつくほどの寒さだった。
 でも、このためなら五万円くらい払ってもいいと思われるような景色を見ることが出来て、あれを山の神様に捧げたおかげで晴れたのだからと納得することができた。
 デジカメが無いので新しいケータイで写真を撮ったが、太陽が出る前に寒さのために電池が切れるという山スキーでよくある現象が起きた。

 下山してすぐ登山ポストを覗いたが、やはりバッグは入っていなかった。
 現金やデジカメはともかく、財布の中に入っているカード類や免許証、保険証などのことを考え、この後にしなければならない手続きで連休がつぶれる事を恐れていた。出来るだけ効率的に全ての動きを終えようと、もう見つからない前提でこれから電話をかけたりするところを全力で考えていた。
 ところがあまり期待しないで一応寄ってみた下山口のキャンプ場の管理棟に届けられていた。
 聞きに行ったとき、カメラの入ったカバンとしか言わなかったのに「いくら入ってた?」と聞かれたのですぐ届いているとわかった。
 「4,5万です」と言ったら、「そんなに入ってたの?全部取られてるよ。」
 まじか。じゃあいくら入ってたかきいても何の確認にもならないじゃん。ただの興味か。
 既に中の現金を抜かれてキャンプ場のアスレチックに落ちていたところを拾った人が届けてくれたらしい。それでも現金以外は全て無事だったので結構喜んで車に戻ったが、他の人たちがぼくの代わりに落ち込んだり怒ったりしてくれた。
 
 そのあと寄った名水公園でソフトクリームジャンを持ちかけたが、一発で負けた。現金が無かったのでにゃもに借りた。
 そのあとセブンでお金を下ろし、車に戻ってにゃもに返そうとすると、財布の中がまだ空なのに気づいた。まだ動揺していたのか、下ろしたお金を受け取らずに店を出てしまっていた。見ていたいぐによると、店から出てったのにずっとATMが鳴りっぱなしでおかしいと思ったらしい。

 そのあと無事に回収し、にゃもにお金を返したが、まだ動揺していて1,400円借りたのに1,600円を渡してしまった。これはすぐ気づいて取り返した。

 さらに、このあと洗濯物だけ家においてそのまま誕生会に出かけた。そのときの会費は千円だったが、会場となったグラハのMさんは羊蹄山での話を聞いていたので、わかってますよ的な顔で「千円は今度あったときでいいですよ。」と言ってくれた。
 その同情に思わずありがたいと感謝しそうになったが、すぐあることに気づいた。
 「え…?さっきもう千円払ったよね?」
 危ないところだった。

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妹との対話

明日の朝3時ごろ出発で山に行くのに、また飲み会に行ってしまった。運転できない。
最近こういうハードスケジュールが多い。

飲み会に行く前に一度帰ったら、ちょうど夏休みで帰ってきている妹がいた。

「これから飲みに行くから、この食器と鍋(コッヘル)洗っておいてくれない?」
「いいよ。でも飲み会行くんならお土産買ってきても怒らないよ。ビールとか。」

ビールか。でも絶対断られると思ったのに意外だ。エライ。羊蹄山のときは誕生会に行ってるあいだに洗濯物もさせたし、ちょっと良いのにしてあげるか。

「じゃあ瓶ビールでもいいよ。ビン。ビン。何でも好きなのを買ってきてやるよ。」
「え~、瓶じゃなくていいよ。缶で。」

何、なんて偉いんだ。ここで引き下がるとは思わなかった。車に轢かれて改心したかな。

「あ、缶でいいの?」
「うん、ちゃんと6缶セット買って来るんだよ。」
「ろ、6缶セット!?」

この瞬間、今日のブログは五連休の話じゃなくなった。

~蛇足~
「当たり前じゃん、あと何日家にいると思っている。」

妹が帰るのは水曜だ。でも月曜は親にビアホールに連れて行ってもらうとか言っていた。水曜は帰る日なので、最低でも毎日2本以上は飲むつもりか、こいつは。

~蛇足の蛇足~
飲み会から帰ってきたら、ちゃんと買ってきたお土産を渡した。
「お、スーパードライを買ってくるとは。褒めてやろう」
ありがとうございます。

すぐに一本開けて飲みだした。

ところで、冷蔵庫にあった親のワインがすごく減っている。
「ワイン、りんごスカッシュで割ったら美味しかったよ。」
「どんだけ飲むんだよ」

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五連休後半

月曜からは斜里・雌阿寒。
悪天候で斜里はカットしたけど。

Y君がポンピング企画の東北山行に行ったのに替わって、じゃがーが来ただけで、メンバーは羊蹄山のときとほとんど同じだった。どちらもシルバーウィークに北海道に来た百名山ハンターみたいな動きだ。

そのおかげで疲れたので詳しくはまた後で書きます。

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五連休前半

 また羊蹄山に行った。これで春夏秋冬一回ずつ行ったことになる。
 もともとの趣旨と全く関係の無いメンバーになってしまったが、秋の羊蹄山ももちろん他の季節同様素晴らしかった。特に、ご来光も今回初めて見たが、函館の100万ドルの夜景にも匹敵する、最低でも五万円くらいの価値はある景色を見ることが出来て満足した。

 今回一番の衝撃はその五万円だが、詳しいことは五連休後半戦が終わったら書くつもり。
 
 山のあとはすぐ誕生会に行った。成果は、自分の疲労を実感したことと週末の予定が決まったこと。

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傍聴

 先々週休日出勤したときの代休をとって、今日は休みだった。
 午前中はそれなりにやることがあったが、午後はやることが無いので学生のときから一度行こうと思っていた裁判の傍聴に行ってきた。ネットでした下調べによると一階ロビーに今日の事件が張り出されているとのことだったが、わかりづらくてなかなか見つからなかった。あまりうろうろして知り合いに見つかるのもイヤだったので、すぐ案内のおじさんに訊いた。きっと何度も同じような人を案内しているのだろう、とても親切かつ的確に色々教えてくれた。
 
 掲示を見てみると、色々事件があるようだが時間的にそのときやっているのは一つか二つしかなかった。裁判をやっているのは7階と8階だ。とりあえず8階のほうにしてみた。

 エレベーターで昇り、最初に見つけた部屋に入ってみた。TVや映画で見るのと同じような部屋だ。意外と傍聴席も人がたくさんいて、中には若者も何人か。結構メモを取ってる人も多かった。この裁判は被告が本当にどうしようもない人で、いくつもの事件を起こしていた。最初入ったときは万引きについてだったが、ホーマックでデジカメやプリンタを万引きして、それぞれ3000円で質に入れたり4000円で売ったりしていたらしい。安。
 窃盗はまだ耐えられたが、小学生への強制わいせつまでやっていた。しかも以前にもそれで捕まっているらしい。検察官が事件の内容や被告の嗜好について、容赦なく詳細にわたって説明してくるので、いたたまれなくなって途中で出た。
 本人の供述みたいなのを検察官が読み上げるのだが、明らかにこのおっさんが言ってないであろう難しい用語とかが出てきて、当たり前だけど他の人が文章を作ってるんだなと言う感じだ。
 内容は被告の生い立ちから始まる長く、全く共感できないものだった。一つ最も印象に残っているフレーズは、「出所後、私はすぐにロリコンの世界に戻りました。」
 これだけはちょっと笑いそうになった。何だその世界。戻るなよ。
 小学生の頃からよく“知らないおじさん”に気をつけるよう言われていたが、そういう危ない人が実在するということがわかっただけ良かったかもしれない。将来子供が出来たら気をつけさせようと思った。

 次に入った部屋の入り口には詐欺と書いてあった。この部屋はさっきと違い雰囲気が少し硬い感じだった。傍聴席の人がほとんどスーツだったのは事件の関係者だったのかもしれない。
 この事件はたまたまだがぼくの仕事とも関係があるものだったので、少し興味深く見れた。こんなことされたら防ぎようがないけど、発覚したらこういう処理をしなきゃいけないなあとか思いながら見ていた。ただ正直、こっちの事件は大して人の興味を引くようなものではないので傍聴席も結構寝ていた。
 検察官は若く、中学時代の友人に似ていたので少し親近感が沸いたが、彼の話し方も眠気を誘うものだった。サークルの審議を思い出しながら他の人の様子を観察していると、弁護士と目が合った。だいだいじゃないんだからちゃんと集中しろよ。でも、意外と裁判官も弁護士も聞いてるんだか聞いてないんだかわからないような態度のわりには流石にプロで、ちゃんと要所要所で的を得た指摘をしてくる。裁判官は、見た目の割りに態度が軽い感じだったのが印象的だ。

 この日は判決は出ず、最後に弁護士と次の裁判の日程の打ち合わせみたいなのをして終ったが、なかなか予定が合わないのがちょっと面白かった。
 裁判官の最初の提案に対して弁護士が「その日はちょっと空いてないですね」みたいなことを言うと、裁判官は「○日差し支えね。では、△日の午後は?」「その日もちょっと…」「△日差し支え。□日~■日は裁判所が差し支えだから…」
 というように、やたらとサシツカエという言葉を使いたがる。専門用語なのか知らないけど、弁護士は全然使わないのに裁判官がわざわざ言い直してまで使うのが気になった。
 今度からぼくも使ってみようと思う。
「全体合宿行こうよ。」「いや、その日は差し支えだから。」みたいに。

 今後傍聴に行くことは身近に関係あるような裁判でもない限り二度と無いだろうけど、面白い経験ではあった。

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釣り

 昨日は渓流釣りに連れて行ってもらった。こないだの研究室飲みはその決意をするためにあったとも言える。場所は、島牧村。以前に連れて行ってもらったとき目の前で崖が崩れて引き返した思い出のある川だ。
 
 朝3時半ごろ出発だったが、飲み会とそのあとガストでぐだぐだしていたせいで、帰ったときは3時15分だった。その飲み会はすごいメンバーで、大変楽しくて良かったのだが、自分の人見知りでひとに気を遣わせてしまったんじゃないかという反省があった。沈黙してても自分では十分楽しんでるんだけど、他の人が心配しないようたまにはちょっと頑張ってしゃべることも必要だろうと思い、この釣りに来ると聞いていた(たぶん)初対面の二年生相手には少し頑張る決意をしていた。しかしその人は直前でこれなくなってしまい、結局ヴィッツで迎えに来たのはうっちょりと指レンジャーという全く頑張る必要の無い人たちだったので、行きの車の中では小樽をちょっとすぎた辺りから思う存分寝た。

 目を覚ましたら黒松内で、いきなり運転席から「リスを轢いてしまいました」と告白された。彼はこの日最もテンションが上がったのがそのときらしい。悪い方向にだけど。
 
 川は、前来たときより水が多かった。腰上の渡渉もあると聞いていたが、そこでは濡れない様に運べばいいだろうと、いざと言うときのため携帯電話を持っていった。そして、実際折り返し地点までは全く濡らさず川を遡行することが出来た。この判断のおかげでじゃがーも十勝岳からぼくに電話をかけてその先のコースの確認をすることが出来た。
 主催者は「この川も魚が少なくなってしまった」と嘆いていたが、確かに前に連れてきてもらったときほどではなくても、十分ぼくや指レンジャーが楽しめるくらいには釣れた。
 普段はキャッチ&リリース派のうっちょりも、ぼくのキャッチ&イートの主張に「これだから素人は」的な文句を言いながらも許可してくれた。と言うよりも行く前からその展開を予測してオピや炭、焚き付けをちゃんと用意していた。ツンデレ?
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 ぼくはオピでさばいたイワナを、ビニール袋に入れて、重石をのせて川の中で冷やしておいたが、それが全ての間違いの元だった。
 気づいたら、あるはずのところにビニール袋がなくなっている。ちょうどもう下っている途中だったのでちょっと行ったら破れたビニール袋が浮いているのを回収することは出来たが、中身の二尾は跡形もなくなっていた。流れが強すぎてビニールが耐えられなかったのだろう。冷やしていたのはどっちも自分の釣った魚だったのがせめてもの救いだ。
 しかし、ムダにさばいてしまった魚への罪悪感から気が動転していたせいか、下る途中で足を滑らせ川の深みに落ちてポケットのケータイまで濡らしてしまったのでした。
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3年ぶりの悲劇

携帯が壊れた(と思われる)。

また水没。

今度は自分ごと渓流に落ちた。

ショック。今度は防水を買おう。
疲れたから明日詳しく書こう。

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おいしかったとうもろこし

 きのうは、大学いんでブタの研きゅうをしているおじさんと夕はんを食べました。ぼくが、「ゆうはんを食べよう」と言ったからです。
 おじさんは、じっけんがおわってないのに来てくれました。
 ぼくが何もかんがえてこなかったら、おじさんが「鳥げんにしよう。」と言ったので、鳥源というお店に行きました。とりくしが、おいしかったです。おじさんは、ふつうにビールをのんでいました。ぼくも、いっしょにのみました。

 鳥源から出ると、おじさんに「じっけんの手伝いをしてくれ」といわれました。ぼくはおもしろそうなので、「いいよ」と言いました。でもおじさんはやる気をなくして「じっけんは明日やればいい」と言い出して、ぼくも「それでいいんじゃない」と言ったので結局、のう学部にあるおじさんの研きゅうしつで飲むことになりました。
 ぼくは、研きゅうしつはおじさんがしごとをする場所だと思っていたので、おどろきました。

 ちょうど、ぼくがしょくばでもらったとうもろこしが3本あったので、それを2本ゆでて、そのうち1本はさらにバターとしょう油で焼いて食べました。あまくておいしかったです。おじさんのけんきゅうしつには、冷蔵庫もあって、とても快適でした。冷蔵庫の中にはえだまめやジャガイモが入っていたので、それも食べました。ウイスキーもあったので、来るとちゅうで買ってきたワインといっしょに飲みました。ちょっと、よっぱらいました。

 おじさんがみんなをさそったので、お姉さんとお兄さんが一人ずつ来ました。お姉さんは一年先パイで、お兄さんは1年後ハイなのにふたりとも大学いんではおじさんと同じ学年だそうです。ふくざつです。二人とも、じっけんをしていたそうです。
 でも、お姉さんはわりと早くきたけどお兄さんが来たのは11時ごろだったので、よっぱらったぼくはちょっと話をしてあとはほとんどねていました。
 11時50分ごろ解散しましたが、おじさんはそれから実験するつもりだと言って研究室に残りました。ぼくは、ねむくないのかなあ、すごいなあと思っておじさんを尊敬しました。
 さっぽろえきに入ろうとすると、駅員さんに「もう地下鉄への通路は閉めたよ」と言われました。一歩おそかったのです。ぼくは、「おお、神よ!」と思いました。
 さいふを見るとあまりお金が入ってなかったので、36号線まで歩いて、豊平橋のたもとあたりからタクシーにのってかえりました。ふらふらしました。

<先生から>
 おじさんと楽しい飲み会が出来たようですね。でも、地下鉄の時間に間に合うように帰れるともっと良かったと思いますよ。今度から気をつけましょう。でも今日は意外と爽やかに目覚めたようで良かったですね。
  あと、おじさんのことを尊敬したようですが、先生はお酒を飲んで実験するようなことはどうかと思いますよ。あなたは絶対に酒を飲んで仕事に行ってはいけませんよ。そんなことをしたらクビですよ。

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走れポンピング (8/17 礼文島)

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 ダイダイは歓喜した。必ず、かの長身痩躯の先輩たちをぶち抜かなければならぬと決意した。ダイダイにはわけがわからぬ。ダイダイは、都の銀行員である。歌を歌い、職場の同期と踊って働いてきた。だから面白いことに対しては、人一倍に敏感であった。三日前の夜ダイダイは都を出発し、野を越え海越え山に登り、何百里もはなれた此のレブンの島にやってきた。ダイダイには北海道にサークルの仲間がいる。それゆえ、それらの人々と遊ぶためにはるばる島にやってきたのだ。先ず、テン場にテントを張り服を洗って干し、それから島の道をぶらぶら歩いた。そしてバスで行ったスコトン岬ではうにジャンで負け、ソフトクリームジャンでも負けた。ダイダイには、心の友があった。ローマである。今はサッポロの市で、学生をしている。その友とこれからゴロタ岬を訪ねてみるつもりなのだ。歩いているうちにダイダイは、みんなの様子をあやしく思った。ざわざわしている。もう既にバスは行ってしまい、次の最後のバスだけだ。のんきなダイダイも、だんだん不安になってきた。4時間コースの入り口に停まっていた観光バスの運転手をつかまえて、ゴロタ岬までどのくらいかかるのか、三年前に此の島に来たはずだが全然覚えていないので質問した。行けると言われたので出発したがすぐにあることに気づき引き返した。バスの運転手が不審に思ってまた話しかけてきた。みんな行ってしまったので仕方なくローマだけが残って、質問に答えた。
「夕飯の食材を、買わなければ行けません。」
 今いるところから歩いていける範囲には食材を買えるような店は無かった。ここからテン場へはバスで行くしかないが、もう最終しかないので途中で降りることはできない。しかし今夜のテン場、緑ヶ丘キャンプ場の近くにも店は無いので食材を買うことはできない。ヒッチしか手はないが、スコトン岬には観光バスだらけで普通の車はほとんど停まっていなかった。悩みながらローマがみんなに追いつくと、ポンピングがサンダルを脱ぎ、運動靴に履き替え始めた。荷物を人に預け、買うべき食材をローマに聞いてきた。わけがわからぬダイダイは、イグリンティウスに質問した。
「おどろいた。ポンさんは乱心か」
「いいえ、乱心ではございませぬ。バスを、待つことはできぬ、というのです。店のあると思われるフナドマリまで約8Km。これをキロ5(1km5分)で走れば40分。最終バスが岬を出るのは約50分後なので10分以上買出しをすることができるのです。」
 聞いて、ダイダイは歓喜した。「シャッターチャンスだ。クラウチングスタートしてください。」
 ポンピングは、単純な男であった。言われたとおりクラウチングスタートしたが、全くその意味はない普通のスピードで走り始めた。なぜかイグリンティウスもあとから走り出す。こちらはサンダルのままで荷物も背負っているので明らかに不利だ。二人の姿はぐんぐん小さくなり、あっという間に見えなくなってしまった。爆笑しながら見送った三人は、ヒッチしながら歩くことにした。少しでも進んだほうが分かれ道から車が来る可能性もあるし、万一失敗しても島ではバスはバス停でなくても停まってくれるのだ。
「絶対に、車をつかまえる!あの努力をどうしても無にしてやりたいのだ。」とダイダイは悪びれずに言った。
「そうだ!」と残りの二人も、勇んで賛成した。「努力を才能で打ち破るのは、最も気持ちがいいのだ。必死になって走っている二人に親指のシックスセンスが打ち勝つ」シックスセンスという言葉の使い方には二人は反駁した。
「昨日のリシリ山に登っているとき、実は3度も動悸の発作が起きていたと、下山後にわしに教えてくれたのは、ポンさんだ。彼の心臓は、あてにならない。ポンさんは倒れているかも知れぬ」ダイダイは嬉しそうに呟き、また笑った。
「車だ!」親指を立てたが二度失敗した。しばらく歩いてかなり遠くまで見渡せるところまででたが、二人の姿は影も形も見えない。ずいぶん先まで行っているようだ。
「ばかな」ダイダイは低く笑った。「とんでもないことだわい。その陰で倒れているに違いない」
「車です。やってくるのです。」3人は必死で親指を立てた。車は停まった。「私たちを、フナドマリまで連れて行ってください。食材を、売っている店が私たちを待っているのだ。」
 それを聞いて、運転手と同乗者は寛容な気持ちでそっと乗せてくれた。おかしなことを言うわい。どうせ、学生に決まっている。この3人を乗せて行ってやるのも面白い。
「実はこの先にも友達が二人走ってるんですけど…」車内でダイダイが二人のことを切り出すと、
「そうです、マラソン好きの友達がいて…」てんぱったローマが余計あやしいフォローをした。
「へー、好きなんだー…」運転手も合わせてくれた。
 イグリンティウスは、3kmほど先で、発見された。佳き友と佳き友は、20分ぶりで相逢うた。ダッシュは、友に一切の事情を語った。イグリンティウスは、車に乗るのを遠慮し、あとで来るバスに乗ろうとした。運転手と同乗者の説得もあり、ようやく車に乗ることになった。車は、すぐに出発した。盛夏、日が傾いてきている。
 ポンピングは、8kmの路を急ぎに急いで、車がその姿を発見したのはさらに2km先だった。実は、走り始めてすぐに後ろがヒッチで車をつかまえる可能性には思い当たった。しかし打ち消して走ってきたのだ。
 私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときはふいとあんな悪い夢を見るものだ。ポンピング、お前の恥ではない。やはり、お前は真の勇者だ。立って走れるではないか。
 ポンピングは、黒い風のように走った。少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。急げ、ポンピング。遅れてはならぬ。愛と誠の力を今こそ思い知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向こうに小さく、フナドマリの街が見える。
「おーい」楽しげな声が、風と共に聞こえた。
「誰だ」ポンピングは立止まった。近づいてきた車には全員が乗っている。
「もしもし?」ポンピングの納得できない気持ちが4文字に込められていた。
「乗らない?」助手席の人からも誘いの言葉が聞こえた。イグリンティウスとは違い全く躊躇せず即座に乗った。
「おまえらの望みは叶ったぞ。おまえらは、わしの足に勝ったのだ。ヒッチとは、決して空虚な妄想ではなかった。わしをも車に乗せてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」 と心で思いながら。
 どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、ポンさん万歳」
 勇者は、ひどく赤面した。

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(伝説と、太宰治の小説から)

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